大路を走らば

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ドリーム(2016年)感想 進歩とは壁を突き破ることと見つけたり

監督:セオドア・メルフィ

音楽:ハンスジマー他

キャスト:タラジ・P・ヘンソン、オクタビア・スペンサー、ジャネール・モネイ

製作国:アメリ

上映時間:127分

 

 

あらすじ(映画.com様より)

1962年に米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた、NASAの3人の黒人系女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの知られざる物語を描いたドラマ。ソ連アメリカの宇宙開発競争が繰り広げられていた61年、米バージニア州ハンプトンにあるNASAのラングレー研究所に、ロケットの打ち上げに必要不可欠な計算を行う黒人女性グループがいた。なかでも天才的な数学の才能をもつキャサリンは、宇宙特別研究本部の計算係に抜てきされるが、白人男性ばかりのオフィス環境は、キャサリンにとって決して心地よいものではなかった。一方、ドロシーとメアリーもそれぞれ、黒人であるというだけで理不尽な境遇に立たされるが、それでも3人はひたむきに夢を追い続け、やがてNASAの歴史的な偉業に携わることとなる。

 

MY評価:82点

 

観ました!「ドリーム」

当初邦題が「ドリーム-私達のアポロ計画-」だったのが、

アポロ計画関係ないじゃない!って批判が殺到。

「ドリーム」に改題されました。

って、話のイメージしかなかったんですが、評判がすこぶる良い。

それならばと鑑賞したわけですが。

 

人種差別ってこんなに激しかったのかと、驚きました。

まさかトイレまで分けられてたとは、、、

学生時代は日本史選択だったもので、疎いんですよね世界事情(永い言い訳)

しかも1960年代まで差別があったとは、、、

無知で恥ずかしい!

 

主人公達が差別に対し感情を発露し、そして差別が突き破られるていくのはやっぱり心が揺さぶられます。

 

特にキャサリンが雨の中黒人用トイレ(職場から800m離れた場所にしかない)から戻ってきた後、

トイレが長いと言われた時の、

今までの溜まっていたものが爆発したかのような感情の発露!心情の吐露!

心揺さぶられまくり!

そして撤去(物理)される黒人用トイレの看板!

嗚呼!

 

音楽の使い方でここはと思ったシーンは、キャサリンが会議で本部長からチョークを受け取るシーンですね。

チョークを受け取った瞬間、スゥーっと音楽が流れる!

嗚呼!素晴らしい演出。

 

この作品は「規定」を打ち破り、進歩していくことをテーマとして描いているように感じました。

人種、性別、規則、仕事、

進歩するためには先入観は捨て去り、

人種、性別関係なく共に歩むことが必要であると。

これがロケット打ち上げという「最先端」「発展」「進歩」を想起される背景で展開されるので更に!

NASAという技術屋バリバリ、女性の職場らしからぬ職場(これも私の先入観ですね)での話なので更に更に!

相乗効果で良くなろうってもんですよ。

 

進歩の一つとしてコンピュータが出てくるのも面白いですよね。

ロケットが発射される当日にコンピュータが今までと異なる計算結果を出す。

それに対し、搭乗する宇宙飛行士がキャサリンに検算するように頼む。

なんだか気持ちわかりますよね。

機械が計算したから正確なんだろうけど、

命をかけるからには人のチェックもしてもらいたいですよね。

 

苦言を呈すなら、キャサリン以外のエピソードが、尻切れ蜻蛉感があったことと、

最後の盛り上がりをキャサリンの検算ではなく、遮熱板のトラブルにもっていったことですね。

確かに着水なんかは検算の結果ですし、ロケットが無事戻ってくることが今までやってきたことの目的だからそこまでズレてないとは思うんですが。

今まで散々キャサリン達や差別、偏見に焦点を当ててたのに急にロケット自体に焦点を当てられても、

しかも遮熱板キャサリン関わってないし、キャサリンが何かできるわけではないので蚊帳の外感を感じましたよ。

なんかハラハラさせる場面を作り上げた感じ?史実に基づく話らしいので、史実に沿った結果なんですかね?

 

上記苦言を差し引いても良くできた映画です。

おススメです。

 

以上、あやしうこそ物狂おしけれ。