大路を走らば

映画とか、漫画とか、ゲームとか、エンタメって素晴らしいですね!

プロメア(2019年)感想 炎を熱く燃やすには空気とガスの混合比が大切

監督:今石洋之

音楽:澤野弘之

出演:松山ケンイチ新谷真弓

製作国:日本

上映時間:111分

 

 

あらすじ(映画.com様より抜粋)

突然変異で誕生した炎を操る人種「バーニッシュ」の出現をきっかけに、未曾有の大惨事である「世界大炎上」が起こり、世界の半分が焼失した。それから30年後、一部の攻撃的なバーニッシュが「マッドバーニッシュ」を名乗り、再び世界を危機に陥れる。これにより、対バーニッシュ用の高機動救命消防隊「バーニングレスキュー」の新人隊員ガロと、マッドバーニッシュのリーダー、リオという、それぞれ信念を持った熱い2人の男がぶつかり合うことになる。

 

 

プロメア観ましたよ。

キルラキルをGW中に見終えて、猛烈にササったものですから、同製作陣で作成されるプロメアを超楽しみに待ってたんですよね。

(キルラキルの感想を貼っておきますね)

キルラキル全話視聴後感想 濃縮された熱血異服格闘話 - 大路を走らば

TRIGGER作品好きです。と言っても、「キルラキル 」を除くと、「リトルウィッチアカデミア」と「宇宙パトロールルル子」しか見れてないんですけど。今石監督作品としてはGAINAX時代ですが、「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」は大好きでしたね!

とまあ、今石監督作品が元から好きだったってのもありつつ、熱が高まってたというのもありつつ、期待感MAXで劇場に行ったわけですよ!!!!

 

 

 

MY評価:70点

 

 

 

いやー!相変わらず熱い作品でしたね!

キルラキル 」同様、サービス精神旺盛で、話のテンポが高速!そして燃える最終決戦!クライマックスが連続してましたよ!!

TRIGGER作品って世界観を作り上げるのが上手いですよね。そこら辺がドキドキワクワクにつながるわけです。

 

特に好きなのは最初のレスキューですね!マッドバーニングの登場の格好良さ、そしてそれを倒していくガロ、ボスとの一騎打ち、熱い戦いを見せて!追い詰められた!と思いきやチームの勝利!

熱い!カッコイイ!

 

とまあ、TRIGGER作品、とりわけ今石監督作品特有の、世界観、テンポの速さ、熱さ、勢い、特盛クライマックスが遺憾なく発揮されてました!

 

ただ!

ただただ今回、それが全部功を奏していたかというと、ちょっとうーん、と思った部分がありましたね。

 

はっきり行ってクオリティは高いです!

楽しみました!

ただ、期待度の高さと、「キルラキル 」っていうあまりにも素敵な作品を見せられた後だったので、さらにここも欲しかった!って意見が出てきちゃいまして。

これ以降は良く出来た作品だったってことが前提での感想です。

 

最初に気になったのは松ケンの演技。

いや、上手いんですよ!ただ、驚いた時とか、痛がってる時とかが「ん?」ってなるんですよね。ただ、これは後半慣れました。

 

次に世界観、バーニッシュの迫害度合いが最初全然掴めなかったんですよね。

バーニッシュってだけで逮捕されるのか、捕まってるバーニッシュ達で世界のバーニッシュ全部なのか。どれがマッドバーニッシュのメンバーなのか。

これは私の読解力不足のせいですし、それが描かれなくっても影響はそこまでないですしね。気になったってだけです。

 

そして、ここから!

プロメアさん、ちょっといいっすか!?と文句の言いたい5大文句ポイントを書いていきます。

あくまで個人の趣向に基づく意見ですので、批判意見はちょっと、、って方は折角お越しいただいたのに申し訳ないのですが、回れ右して頂けますと幸いです。

 

 

 

 

 

 

まず①クライマックス長過ぎ。

クライマックスの連発は「キルラキル」では燃えましたが、今回はいつまでやってるんだよ、、、と思ってしまいました。思うに、「キルラキル」は連続アニメだから、クライマックスごとに区切りを入れられるんですよね。だから息をつくことができ、クライマックスと収束を交互に迎えることができたわけです。でも今回は劇場映画のため、息つく間もないんです。これが私にはいつまでクライマックスなんだろと、ちょっと食傷気味になっちゃいました。

特にリオデガロンとクレイザーXの戦いは、ターン制バトルのように新技の出し合い。考えてみれば、「キルラキル 」を一旦視聴中断した理由は、流子が毎週毎週新モードを連発したのも一因でしたね。なんか後出しジャンケンみたいで。

 

②お姉ちゃんクズすぎ問題

お姉ちゃん、妹のこと一番に考えてるってことはわかったけど、それ以外クズいし、反省もないよね。

特に、反旗を翻す方法が、エンジンを最大出力にするってさ、、、

バーニッシュの事何も考えてないよね。かなりの苦痛を与えてるし、試験運用を見た感じじゃ、通常運用しただけでもピザ屋の兄ちゃんかなりのダメージ(指から灰になってたので死んだ?)だったのに、最大出力なんてやったら、死人結構出るんじゃないかな?

そこら辺考えてないようだし、ドヤ顔でやってやった感出されてもさ、、、

でこのバーニッシュのエンジンの件は次の文句に繋がるんだけど、

 

③何がセーフで何がアウトかわからない

エンジンを使用するとバーニッシュの苦痛がプロメアに伝わり、世界炎上!って、エンジン使用された後も結構大丈夫だし、かといって出力最大の後地球に火が上がっても止めようとしてるし、どこまでがセーフで、どこからが取り返しのつかないラインかがわからないわけですよ。だから、どこでハラハラすれば良いかわからない。カタルシスも生まれにくいわけですよ。

先に挙げたエンジンに使われてるバーニッシュだって、どこまでが大丈夫か全然わからない。

 

④差別の問題うやむや

差別、迫害の元となったバーニッシュの能力を消すっていう一番卑怯なやり方で解決しましたよね。

差別や迫害をテーマに添えてないって話かもしれませんが、あれだけ前半で迫害と追われる人々を描いたのなら、ちゃんと向き合って欲しかったです。

最後の展開で、火消しであるガロとバーニッシュのリオが手と手を取り合ったじゃん、って話かもしれませんが、そてはあくまで個人間レベルの話ですよね。

しかも火消しとバーニッシュであって、一般市民とバーニッシュが手を取り合ったわけじゃないんですよ。

一般市民、ましてや、チームの仲間ですら、バーニッシュが同じ人間なんだ!と認識を改めたわけでも、迫害は間違っていた!とも思わないわけです。燃やす事を命題としている以上、一定の危険性はあるわけですから、厳しい目で晒されるのは多少仕方のない事なのかもそれませんが。最後は両者歩み寄って!とかじゃないんだなと。

ガロが火の粉から守ると言っていたように、元バーニッシュって事でまだまだ迫害があるからその解決はまだまだって事なんだと思いますが、、、

 

⑤ガロとリオのキャラ以外の活躍が薄い

個人的にはこれが一番ショックでしたね。

個性的であるかというより、強い見せ場がない。

マッドバーニッシュの幹部2人。

最初の登場はすぐにやられるし、2回目はリオを逃すという見せ場はありましたが、全然強さが感じられませんでした。

マッドバーニッシュってボス以外めっちゃ弱くない?の印象です。最終決戦もエンジンの動力。その他のバーニッシュとほぼ同等の元気玉要員。残念。

チームメイトも最初のレスキューでは大活躍でしたが、その後は影が薄くなる一方に感じました。これが非常に残念!

全員良いキャラしてたのに!

最初のレスキュー燃えたんですよ!

俺たちはチームだってガロのセリフ。

だからきっと最終決戦もチームで戦うんだ!って思ったらチーム要素0ですよ。

ルチアがわらけるようなド級の秘密兵器

作って戦うのかと思いきや、最終決戦はどこぞの博士が作ったロボ。ルチアはそれに嫉妬するだけ。

ドリルがあんじゃんって言われても、確かに活躍する装備ですが、そういうの移動的な話じゃなくって、、、

キルラキル 」では四天王を噛ませや雑に扱わず、皐月様は四天王と一体感があり続けたってのが個人的燃えポイントだったので。ここだけは本当に残念でした。

 

とまあ個人の趣向による意見は以上でして、ほぼシナリオ面です。

映像、演出は見事!音楽も相まってスタイリッシュ!(リオが街を襲うところで、一旦曲が終わった後、また同じ曲がかかったのは、またか、と思いましたが)

 

連続アニメでやったら私が挙げた問題点なんて軽々解決しちゃってるんだろうなと思うんですよね。110分という尺に限りがあるからこそ、その中でのベストなんだと思います!

 

いや、本当に面白かったんですよ!

今石監督だからこそもっともっと!と思っちゃっただけです。

 

あやしうこそものぐるおしけれ