スマホを落としただけなのに(2018年)感想 今こそ学べ!ネットリテラシー
監督:中田秀夫
音楽:兼松衆
上映時間:116分
製作国:日本
あらすじ(映画.com様より抜粋)
いつものように彼氏に電話をかけた麻美は、スマホから聞こえるまったく聞き覚えのない男の声に言葉を失うが、声の主はたまたま落ちていた彼氏のスマホを拾った人物だった。彼氏が落としたスマホが無事に戻ってきたことに一安心する麻美だったが、その日から麻美の日常は一変する。まったく身に覚えのないクレジットカードの請求、それほど親しくない友だちからの執拗な連絡……それらは麻美のさまざまな個人情報が彼氏のスマホからの流出を疑う事象の数々だった。一方その頃、ある山中で若い女性の遺体が次々と発見される事件が起こる。すべての遺体には、いずれも長い黒髪が切り取られているという共通点があり……。
「スマホを落としただけなのに」タイトル的にも気になってたんですけど、劇場で公開してる時観にいけなかったんですよね。
公開当時、ちょうどスマホを落としてたので、周りからも揶揄された印象があります。
「スマホを落としただけなのに」確かにそんな印象ですが、企業によっては社用のスマホ落としただけで監督省庁に報告!なんてとこもあるくらいの自他含む個人情報の固まりですからね。どんなことになるのか楽しみにしながら、DVDを鑑賞しました。
ちなみに私の落としたスマホは戻ってきませんでした。
MY評価72点
良かったですよ〜。
こういう、人間が怖い系は地に足が着いてるからか、面白い邦画が多い気がします。
と言ってもパッと頭をよぎった人が怖い系が「冷たい熱帯魚」とか「悪人」という怖いを通り越したナニカタチだったのであんまり良い具体例がなかったのですが。
そこらのナニカに近づくほど成田凌は凄い良かった。怪演でしたね。
ああいう異常者はやり過ぎると冷めるのですが、いい感じでした。若干やり過ぎ感はありましたが、いい感じでした。
特に浦田として接してる時とのギャップですね。あの落ち着いた感じから徐々に素がでてくる感じ、良きかな。
あと、バカリズム。あれは良いアクセント。だってバカリズムから滲み出る粘着オーラと自分の中の世界観が出来過ぎてて話通じなさそう感。悪気はなさそう感。これのおかげで恐怖感増してますよね。
田中圭も好青年で良かった!
と、まあキャスティングGOODな感じでしたよ。
ストーリーもスマホからSNS、ネットショッピングと、ネット社会の個人情報とその脆弱性を下地に、殺人事件、ストーカー、炎上、隠された過去とまあ盛りだくさんな感じ。
ネットと個人情報の教材ビデオにもなりそうなわかりやすい説明を織り交ぜつつ、盛りだくさんな要素が複雑に絡み合うもんですから、まあ楽しい。
誰が犯人?こいつのこの行動怪しい!主人公にも秘密が!?とまあワクワク出来るわけです。
ただ、最終的にそれがなんだか上手く噛み合わなかったて印象があるんですよね。
特に主人公の過去がらみは、なんか物語の主軸に関係がない気がして、、、
別にあの過去が無くても問題なくストーリーが進んでいく気がするんです。
解決にも、何かのキッカケにもなり得ない要素で、ただ興味を牽引させてるだけじゃないかなと。
実際興味を牽引させてるなら良いじゃないって話かもですが。ちょっと裁判ゲームでもあったり、途中で気づいてしまえるものでもあるのがまた。
そこがちょっと、うーんポイントでしたね。
「サプライズ」的な展開を期待してたんですけど。
(「サプライズ」はめっちゃオススメだから広く皆に観てもらいたい)
うーんポイントを書いてしまいましたが。全体的に良い映画であるのは間違いないです。
スマホの写真の一覧表示が思い出や想いが画面一杯に広がってる感じがエモくて良かったですしね。
(“いつの間に撮ったんだよ”って台詞含めて、「そして父になる」を思い出しもしましたが)
さすが中田秀夫監督。
恥ずかしながら、中田秀夫監督と知らずに借りました。図らずしも「貞子」からの中田秀夫監督2連続です。
(「貞子」感想はこちら。結構批判してますが宜しければ)
貞子(2019年)感想 NO RULE, NO FEAR 撮ったら死ぬ!?撮らなくても死ぬ!! - 大路を走らば
思うに中田秀夫監督ってホラーよりサスペンスやミステリーの方が上手いんじゃないんですかね。リングもサスペンスミステリー的な怖さだったと思うんですよ。
今後はサスペンスミステリーものお願いします!中田秀夫監督!
さて、私の落としたスマホは今一体何処にあるのだろう。
個人情報の固まり、スマホ。
願わくばスマホを落としたってだけで終わりますように。
あやしうこそものぐるおしけれ