大路を走らば

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貞子(2019年)感想 NO RULE, NO FEAR 撮ったら死ぬ!?撮らなくても死ぬ!!

監督:中田秀夫

音楽:海田庄吾

出演:池田エライザ

製作国:日本

上映時間:99分

 

あらすじ(映画.com様より抜粋)

心理カウンセラーの茉優は、警察に保護された1人の少女を担当することに。全ての記憶を失い自分の名前すら言えない少女と向き合う茉優だったが、次第に彼女の周囲で不可解な出来事が起こり始める。一方、WEBマーケティング会社に勤める祐介の薦めでYouTuberとなった茉優の弟・和真は再生回数を稼ぐため、5人の死者を出した団地の火事跡に忍び込んで心霊動画を撮ろうとするが……。

 

観てしまいました。貞子。

だって「リング」ファンなんですもの。

「リング」全盛期その恐ろしさに夜眠れなかったことがありました。小説は「リング」「らせん」「ループ」「バースデイ」まで読んでおり、「リング」語ると止まらなくなる、そんな「リング」ファンの僕です。

「貞子3D」で愛した「リング」が破壊され涙を流したものです。最近の貞子に対する扱いから見ても、今回の貞子も愛した貞子じゃないのだろうなと思いつつ。

(私の愛した貞子についての感想はこちら)

リング(1998年)感想 Jホラーの金字塔!死は”きっと”じゃなく”必ず”クル!助かる方法は - 大路を走らば

一応目を通しておかないとと半ば義務感のように劇場に足を運びました。

 

 

 

 

MY評価:53点

 

 

 

 

もうね、無ですよ。恐怖も、盛り上がりも、無です。

「貞子3D」の時は怒りを覚えたのですが、今回はただ無です。

 

そもそも「リング」の何がおそろしかったのかというと、呪いって言うルールにじわじわと追い詰められていくところなんですよね。

“見たら”“7日後に”“死ぬ“と言うルール!助かる方法を探す!呪いの元凶を突き止める!助かった!と思ったら、、、で、あのインパクトあるTV貞子ですよ。

今回はそう言ったルールが曖昧でした。

撮ったら死ぬ?主人公もメンヘラおばちゃんも撮ってないのに貞子に襲われるわけです。

死のタイミングもわからない。弟はあの洞窟で複数日なにをしてたのか。路上で動画撮っていたYOUTUBERになぜ呪いが発生したのか。そいつらはどうなったのか。もうね、ふわっふわ。

超常現象や心霊モノにルールなんてあるかい!って言われるかもしれないですけど、私は重要だと思ってます。

「スペル」だって、「死霊のはらわた」だって、「仄暗い水の底から」だって、「パラノーマルアクティビティ」だってキッカケやルールがあるもんですよ。

満月の意味も不明ですしね。

本当に同じ監督なんですか!?

 

そもそも貞子は出しすぎちゃダメなんです。最後の最後に確実に殺すために出てくるくらいがいいんです。

雑にテレビから登場って、テレビから登場する意味ありました?ファンサービス?もっと上手くやって!

 

実は、メンヘラおばちゃんが過去を語った時、過去作との繋がりクルー!?と軽くテンション上がったわけです。(メンヘラおばちゃんの貞子の詳しさは異常でしたが)

しかし、「リング」とは繋がってなかったっぽい感じで尻すぼみ。呪いのビデオって単語を出してくれるだけで、うおー繋がったってなるのに、呪いの一言ですましちゃう。貞子が家の中でこんにちはしてる時点で、「リング」の貞子じゃないし。

トドメに“貞子は親に虐げられた魂が大好物”

なにその設定!?あー私の愛した貞子じゃない。

最近2018年版「ハロウィン」を観たせいで、かなりガッカリしました。

時間が経った今、繋げれば面白いのに!

(ハロウィン感想はこちら、映画を鑑賞する際は旧作と合わせ観で是非)

ハロウィン(1978年)過去感想 ホラーとは音楽と見つけたり - 大路を走らば

ハロウィン(2018年) 40年の因縁を見よ! - 大路を走らば

 

あと、貞子の殺害方法を物理にするのやめてくれないですか。貞子は呪いで殺すわけです。念じるだけで殺せるわけですよ。

弟の引きずりあいバトルは何かと思いましたよ。

引きずられでシュールな点は「着信アリ3」を思い出しましたね。

 

心理療法の現場で患者と親しくなりすぎるのは依存されるからマズイってのは、きっと後半、少女に対する伏線だ!って思ってたらそんなことありませんでした。

着信アリ」でもそこら辺回収したのに。

 

細かいところでも不平はあります。

ホラー描写も弱い。なんの脈絡もない。

弟の投稿動画はカット入れずに一気に流せば良いのに。気が削がれる。

池のシーンがなんかお笑い。

音楽が酷い。大島に着いたシーンの音楽はなんだ。

とまあ、枚挙にいとまがないのでこれ以上は割愛。

 

これは邪推なんですが、シナリオを途中で大幅に変えたんじゃないかなとか思ってます。

それくらい、少女のパートと呪いの動画投稿が関連性ちぐはぐなんですよ。

時期も2018年11月ごろの設定ですし、本当は去年末に公開する予定だったんじゃないですかね。考えすぎですかね。

 

と、愛故のダメ出しが2割、そもそもダメが8割のダメ出しでした。

 

ジャパニーズホラーよ、本当に頼んます。

 

あやしうこそものぐるおしけれ