ハロウィン(2018年) 40年の因縁を見よ!
監督:デビッド・ゴードン・グリーン
音楽:ジョンジョン・カーペンター
製作国:アメリカ
上映時間:106分
あらすじ(映画.com様より抜粋)
ジャーナリストのデイナとアーロンは、40年前のハロウィンに起きた凄惨な殺人事件の真相を調べていた。犯人の「ブギーマン」ことマイケル・マイヤーズは事件後ひと言も話さず、動機や感情は一切不明。事件の唯一の生き残りであるローリー・ストロードに話を聞いても収穫はなかった。しかしローリーは再びマイケルが自分の前に現れることを予感し、その時のためにひとり備えていた。そしてハロウィン前夜、精神病棟から患者を輸送する車が横転し、マイケルが再び街に解き放たれる。
MY評価:74点
観ました!ハロウィン!
ハロウィンは結構数が出てるシリーズものなのですが、1しか観たことないんですよね。
映画を観るときは、その映画について極力調べないようにして観に行くので、今回のハロウィンが続編なのかリブートなのかわからずに鑑賞に臨んだ次第です。
ただ、タイトルがハロウィンだったので、リブートかな?と思いながら観に行ったのですが、、、
普通に続編でしたね!
ひとまず、1の知識でも振り落とされることはありませんでした。恐らくシリーズを全く観てなくても楽しむことはできると思います!
ただ、この映画のキモである部分がシリーズを追いかけ続けた人にこそ真に力を発揮すると思われますので、全作観てる人、ひいてはリアルタイムで追ってきた人にはたまらない仕様になっています。
◇40年の因縁と対決
今回のハロウィンの見所はまさに40年という時間ですね!
第1作が1978年公開、そして本作が2018年公開。作中でもちゃんと40年経った設定となっています。
今までのシリーズ、40年という時間で積み重ねた因縁が今作では最大級の高まりを見せます。
1で生き延びた女性主人公とブギーマンの対決ですよ!大興奮ですよね!
因縁の重みが違います。
モンスターやら悪魔を打ち倒そうとするような作品が見たい!と近頃思ってたのでかなり刺さりましたね。
だいたいホラーで敵に対抗しようとするキャラって噛ませにされることが多いじゃないですか。今回はガッツリ勝負してくれて満足です。
しかも親子三代で戦うってんだからもうワクワクですよ!特に娘の設定!母に幼い頃から戦闘を仕込まれてたって、もうイイ!お母さんのことを信用してないというか、狂ってると思って嫌ってるってところが、犠牲になるんじゃないかってヒヤヒヤポイントでしたね。
お母さん(1主人公)のホラー的壮絶な体験を生き延びたが故に狂人の一歩手前ってのはイイっすよね。なぜか「デッドコースター」のクレアを思い出しました。
ただ、死の恐怖で半狂乱のクレアと違い、ブギーマンを殺すことに偏執しているところが今作の燃えポイントですね。
一押しポイントはブギーマンに攻撃され2階窓から転落。死んだかと思いきやふと目を話した隙に消えるという、1でブギーマンのラストを踏襲した展開。これをブギーマン相手に1主人公がやるんですから、嗚呼!上がる!
孫娘は物語の回転役でしたね。
ただ一見孫娘の方が主役的なキャラクター造形なため、母娘どちらかが犠牲になってもおかしくなく感じられ、戦闘に緊張感が増しましたね。
話の作りもしっかりしてます。
ブギーマンが脱走するまでの1幕、
ブギーマンが殺人を続ける2幕、
母子孫VSブギーマンの3幕
1幕で背景を説明して、2幕でブギーマンの恐ろしさを描き、3幕で対決!
うーん、綺麗。
あと語っておきたいのはカメラワーク!
今作画面全体をうまく使っている印象です。何気ないシーンの奥の方でブギーマンが佇んでいたり人が殺されたりしてるんです。
特に街に出て2人目の被害者が殺されるシークエンスは素晴らしいです。カメラは全く動かない。ブギーマンがカメラの画面外に消えたあと、何処から来るのか、、、この緊張感不安感がたまらないです。
ブギーマンとの対決も凄く気が利いてるというか、ちゃんとブギーマンの評価を落とすことなく対決が進んでいきます。
この気遣いが素晴らしい!
最後ブギーマンに対して確実な殺害方法を取らなかったのは、1主人公の執念を考えればちょっと整合性にかける気がしますが、落とし所としては非常に妥当だと思います。
兎にも角にも40年経った今だからできる、むしろここまで熟成した状況で作られる作品はなかなかないです!
そういった付加価値含め、観て損のない作品でした。
好きです!
あやしうこそものぐるおしけれ