大路を走らば

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運び屋(2019年)感想 老練が描く人生の多面性

監督:クリント・イーストウッド

音楽:アルトゥロ・サンドバル

主演:クリント・イーストウッド

製作国:アメリ

上映時間:116分

 

あらすじ(映画.com様より抜粋)

家族をないがしろに仕事一筋で生きてきたアール・ストーンだったが、いまは金もなく、孤独な90歳の老人になっていた。商売に失敗して自宅も差し押さえられて途方に暮れていたとき、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられたアールは、簡単な仕事だと思って依頼を引き受けたが、実はその仕事は、メキシコの麻薬カルテルの「運び屋」だった。

 

 

MY評価:72点

 

 

運び屋観ました!

クリントイーストウッド脚本主演の映画ってグラン・トリノ以来ですかね。

グラン・トリノも良い映画でしたね。自分が監督だから、自分の魅せ方が良くわかってるんでしょう。渋カッコ良かったです。

こんな事を言うと失礼にあたって申し訳ないのですが、イーストウッドが主演で監督の映画を後何本観れるかってんで、これは観に行かんとと劇場に向かったわけです。

観る前の期待度はそこそこですね。イーストウッドが外すわけありませんし。

 

で、鑑賞後ですが。

 

いい意味で安定ですね、安心して観れます。いやぁ、イーストウッドの年季のなせる多様な映画でした。

 

①麻薬の運び屋としてのクライムムービー

②運ぶ道すがらのロードムービー

③麻薬組織の若い幹部とのバディもの

④家族との失った時間をとりもどすヒューマンドラマ

⑤麻薬組織の一味に老人が加わるコメディ

上記のように一つ一つで映画が作れそうなテーマを一つの作品にしてしまってるんですね。

それでいて、取っ散らかる事がなく、とてもスムーズに話が進んでいくわけです。

 

これはある意味すごくリアルに話を作ってるからなんじゃないかなと感じました。

私達の生きる人生も単純な話ではなく、コメディ的な瞬間もあれば、シリアスな時もあり、悲劇もある。

この映画の主題ではないですが、そんな人生の多面性が見えたと思います。

 

見所はやっぱりイーストウッド

人生の重みを感じつつ、覚束ない歩き方に哀愁を感じさせる。

見事です!

 

年老いてからも、麻薬の運び屋という新しい世界に飛び込み、メールを覚え、若者たちと触れ合い、人生経験からのアドバイスをする。

老いてもまだまだやれる事あるぜ!

というイーストウッドのメッセージを感じました。

 

惜しむらくはあの若い幹部がどうなったのかが気になりましたが、これはイーストウッドの物語ですからね、描かれなくても仕方のない事でしょう。

 

とにかく、良いもの見たなと思える良作でした!

 

あやしうこそものぐるおしけれ